雨と五感

僕はとてもとても雨という天候が好きでして、雨を見るのも、音を聴くのも、打たれるのも好きなわけです。

僕が普段過ごしている森のようちえんは池や川と言った水資源がないので、好き放題に水を使えるのが「雨」だけだったりする。

それが故に、ウチの子ども達は雨が好きな子が多いように思っている。

 

でもね、おそらくだけど、最初から雨が嫌いな人なんていなくて、どちらかというと大人達が「雨だから、お家で遊びましょうね。」と言った具合に、普段から口走ってしまって、ちょっとした洗脳状態に陥らせているだけではないかと、僕は思っている。

前にも書いたと思うけど、雨は悪い天気ではない。

ここ数年は雨による水害が多発していて、中々伝わりづらいかもしれないけど、生物が生きる上で必要不可欠。

そんなこんなで「雨」のいいところを考えていたら、もしかしたら「雨」という天候は、「晴れ」よりも五感を刺激するものが多いのかもしれないとたどり着いた。

 

視覚・・・雨水の落下、流れ、飛沫、波紋

聴覚・・・屋根、地面、葉っぱ、衣服などを打つ音

嗅覚・・・雨の時の独特な匂い、雨上がりの澄んだ空気の匂い

触覚・・・雨の当たる感覚、濡れる感覚

味覚・・・積極的にはしないけど、味も見れる

 

という具合に。

 

「晴れ」というのは、ある意味安定していて、何かを感じようとすると、その情報を自分から探す必要がある場面が多い。

虫を探したり、鳥の鳴き声を探したり、花の匂いを追ったりと。

対して、「雨」はある意味強制的に様々な情報を振り下ろしてくる。

感じざるを得ない場面が強制的に作られる。

 

もしかしたら、人はこの情報量の多さにストレスを感じて、雨が降ると安定を求めて屋内に駆け込むのかもしれない。

晴れの日であれば自分が選んだ情報のみを取り入れて、過ごせば自分でストレスをコントロールできる。

 

そして、これを子どもに当てはめると、「子どもって水好きだよね~」にも説明がつく。

五感といった感覚が鋭敏な時期の子ども達には、五感を刺激しまくる「水」が面白くてしょうがないわけだ。

それが文明の利器を使わずとも、天から降り注ぐのだから、面白いに決まっている。

前述した通り、外遊びにおいて晴れの日は安定しているから、過ごしやすさはあるけれど、入門者にとっては「何か」を探す難しさがある。

雨の日は濡れて、着替えが増えてとかで過ごしにくさはあるんだけど、その反面「何か」は十二分に天が与えてくれる。

 

もしかしたら外遊びデビューは「雨」がいいかもしれない。

 

では、また次の木曜日に。