子どもは小さな大人ではない
「子どもは小さな大人ではない」by ジャン=ジャック・ルソー
保育関係の仕事をしている人であれば一度は耳にしているであろう言葉。
昔の偉人達はたくさんの素晴らしい言葉を残しているのだけれど、その一方で「なぜこんな教育・保育になった??」と思わされることが日本では本当に多い。
まぁそんな話は置いといて…
なぜ大人は「ダメ!」と言うのだろう?
”しつけのため”の一歩前に、”悪いことだと知っているから”があると思う。
「ある物が欲しい」と思うことは悪いことじゃないけれど、「ある物が欲しいから、人から取り上げる」のは悪いことなわけだ。
でも、これを初めてする子どもは、この差に気付けるだろうか?
この差に気付いていないのに、「悪い事だ。」と言われたらどんな気持ちになるだろうか?
「悪い事だ。」と言う前に、「なぜ悪いのか。」を説明し、理解してもらわないとただただ否定されただけになってしまう。
大人だって、初めての場で良かれと思ってやったことに対して、「なにやってんだ!!」と突然言われたら、めちゃくちゃヘコむだろう。
でも、大人だから1回言われたら、なぜ悪いのかがわかって行動を修正することが出来る。
子どもはそれが出来るだろうか?
それを出来ると思い込んで、子どもとやり取りすることこそが「子どもを小さな大人だ。」とする思想ではなかろうか。
そもそも、大人だって初めから何が良くて、何が悪いかなんて知ってたわけじゃない。
これまで生きてきた過程で経験し、学んできたからこそ、自分の過去を総合的に見て、良い・悪いを判断しているわけだ。
そんな何十年も人生を歩んできた指標が、たかが2~3年しか生きていない子どもに通じるわけがない。
だからこそ、まず叱るんじゃなくて、何故悪いのかを説明して教えてあげるところから。
というか、大人ってなんだ?子どもってなんだ?
20歳から成人で大人なのか?結婚出来るようになる、女性なら16歳、男性から18歳からが大人なのか?そんな年齢で決められるものでもないだろう。
僕はそもそも「大人」、「子ども」っていうカテゴリー分けが間違っているんじゃないかと思っている。
”大きい人間”と書いて”大人”。それ以上もそれ以下の意味もない。ただそれだけの意味。
逆に考えれば、”子ども”は”小さな人間”なわけだ。
”大きな人間”と”小さな人間”。
「子どもだから~」、「大人だから~」と色眼鏡することなく、互いに人間として尊重し合えばいい。
大人が大人に支配的なアプローチで接すると、ひどい時には奴隷になったり、セクハラ、パワハラ、アルハラと様々なハラスメントに引っかかってくる。
でも、大人から子どもに支配的なアプローチで接する時には、問題視される割合は少ない。おかしな話じゃないか?
子どもは小さな大人ではない。
子どもはあなたと同じ人間だ。ただ小さいだけ。
子ども扱いするんじゃなくて、人間扱いしよう。
当たり前のことだと思うんだけどね。
では、また次の木曜日に。